わさっち、わさビーフやめるってよ
【8月18日(金)夜 part1】
ちょうど、この日は夕方過ぎに買い物に出掛けていた。
戻ってきて、夕食を食べて、ひと段落してスマホでヤフーのリアルタイム検索を見た。
トレンドに「わさビーフ」が入っていた。
おっ、わさビーフじゃん。なんだろう?、最近、食べてなかったなー。
ライブドアニュースのアカウントだった。
【驚愕の声】「わさビーフ」9/1よりリニューアル、パッケージ変更へhttps://t.co/GsUfQzw49L
— ライブドアニュース (@livedoornews) August 18, 2020
33年続いた「わさっち」から、キンコン西野監修の「わさぎゅ~」へキャラクターを変更。突然の別れを惜しむ声も並んだ。 pic.twitter.com/Nx588gm7uI
わさビーフがリニューアルすること、わさっちが変わること、キャラクターリニューアルではない新キャラクターへと交代すること。
このツイートには新キャラクターが発表されていた。
公式アカウントに同様の発表ツイートがあった。
そういえば、こいつ、わさっちって言うんだったよな。前はなかったような。っていうか、
「なんだよ、この新キャラ、豚じゃねーか。
なんで、キャラ変える必要があるんだよ、しかもダセーし。っていうか、
こうやってみると、わさっちっていいキャラしてんな」
このあとに思ったことは、わさっちをキャラクターデザインしたデザイナーとの間にトラブルが発生したのかな?と。
しかし、それは違った。オンラインサロンというところで話し合った結果によるものだということが書かれていた。
ここではオンラインサロンについてのことは書かない。
一言だけ思ってることは、オンラインサロンというのはコンサル崩れがやるモドキであって、その当のコンサルでさえ、批判本が人気になっていたなと。
わさっちを助けたい。ふとそう思った。
わさっち、わさビーフやめるってよ
わさっちを助けたい
【8月18日(金)夜 part2】
前から思ってたことがあった、ネット署名活動でやってみたいなと。
何気なく、スマホで[ネット 署名]と検索した。
これか、ちょっと見てみることにした。
「キャンペーンを開始」ボタンをクリックした。
うーん、どうなんだろう、一企業のキャラクターリニューアルについてのそんなショボいキャンペーンなんていままで誰も作ってないだろうな。
でも、サンプル見ると、大学の学食を変えたいとかレベルもあるな。わさっちリニューアル署名活動もいけるかな。
まぁ、アカウント停止されたらそれはそれでいいや。
文章も含めて、20分ぐらい。
シェアボタンもあるのか便利だな。
できたのが、
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!「山芳製菓株式会社 マーケティング部 広報 小川: 山芳製菓株式会社、わさビーフのわさっちを救ってください」 https://t.co/rU7ffXOxMg @change_jpから #わさビーフ #わさっち
— ta__ki (@ta__ki) August 18, 2020
「山芳製菓株式会社、わさビーフのわさっちを救ってください」
わさっち、わさビーフやめるってよ
わさっちを助けたい
コードネーム「保護活動」
【8月19日(土)朝~8月30日(日)夜】
ひたすら余暇時間をネットのSNS、主にTwitterの署名活動リプライに身を捧げることにした。
とは言っても、このChange.orgのサイト、毎日夜にキャンペーンをシェアしましょうというメールを1日1回送ってくる。
ちょうどいいペースとタイミングだ。こっちも何となく署名活動を宣伝しようとその気になる。
ここで、「わさビーフ」「わさっち」をツイートしてるアカウントにやみくもに絨毯爆撃(無差別爆撃)する気も労力もなく、
かといって、草の根運動レベルぐらいはしたいわけで、だからある程度のエゴサーチからのリプライルールを決めることにした。
- 「わさビーフ」or「わさっち」の画像(商品・ぬいぐるみ・イラスト)をアップしたツイート
- 極力、フォロー/フォロワーが100人を超えてるアカウント
- プロフィール欄に強い思想を明記してないアカウント
- 公式アカウントにリプライしてないツイート
- ツイート趣旨がオンラインサロンやその他の内容になっているツイート
何となくリプライしながらその場で判断基準を決めていった。
そんなに厳格に適用してないけど、個人でひっそりと楽しんでる裏アカ要素はスルーして、友好的な感じの人に署名キャラクターのリプライツイートを送った。
やってる当人は、それなりの作業感・達成感があるように見えるけど、1日10~15人アカウントにリプライしたかしてないレベルだった。
やはり、最初の2日間は感触がいい。わざわざ署名しましたと返信を返してくれるアカウントが多かった。
3日目を過ぎると、署名するアカウントは増えていたが好感触の反応が減ってきてるのは見えてわかった。
一方で、わさビーフを購入してツイートでアップするという比率はさして減っていなかった。
みな、わさっちのキャラクター変更を名残惜しんでいた。
この間に勉強になったのが2つあった。
は????????
— はりすけ (@HariciiDisguise) August 18, 2020
わさビーフの牛くんには「わしゃビーフ」っていう秀逸な名前があったのにTwitter公募で「わさっち」とかいう恐ろしく当たり障りの無い名前にされた事に当時めちゃくちゃ憤慨したのに更に今回でクッソブサイクな豚に立場を取られて引退???????
こいつどう見ても豚じゃねーか pic.twitter.com/f3q15vC9T1
わさっちコラボが出てから、わさっち兵、わさっち旗、わさっち称号を使って来ただけに最悪の気分だわ
— Y2J (@Y2Jsangokushi) August 18, 2020
申し訳ないが今後山芳製菓さんの商品を買う気にはなれません
後任がよりにもよってお口チャックマンなのも倍クソ pic.twitter.com/bhbtiPwu6p
- 「わしゃビーフ」という名前から「わさっち」に改名したこと。
- アーケード・スマホゲームの「三国志大戦」のわさっち兵がカワイイこと。
そう、わしゃビーフという名前がついてた記憶がうっすら蘇ってきた。ダサいおっさんネーミングだなと。
これは紛れもなく、わさっちにリネームし若返りが図れたと思う。
タイアップなどもこの頃からかなり積極的になってきたみたい。
そして、わさっち兵。
これもタイアップの一つであったけど、他のタイアップと違うところは、これは現役ということ。
Youtubeで見たら牛が二足歩行で戦をする。それも三国志の地でというダブルのミスギャップ感が最高にイケてる。
この間に、とある衝撃的なツイートを発見した。
わさっち三匹捕獲!! pic.twitter.com/2OHFDJy3M3
— KBは人としゃべりたい (@ikdn77matsu) August 19, 2020
「わさっち三匹捕獲!!」(原文ママ)
捕獲!? 狩猟目線で見てたのか。それありなのか。
ってことは、これもあるかも
わさっちを一匹保護しました pic.twitter.com/5lWTNPgL8Z
— やわ肉@二代目 (@ivSnVlbEKiBy80J) August 19, 2020
「わさっちを一匹保護しました」(原文ママ)
そう、保護。どっちも、わさっちの呼び方が匹なのはおいといて、保護、いい表現だ。
そうか、自分がしてるのは保護活動だ。
「わさっちの保護活動」リプライの文章にこれを積極的に使うようにしてみた。
心なしか署名してくれる比率が増えた。20人になった。
正直、よくて10人かなと。だって元手の活動予算は0なわけで、わさビーフも1袋100円以下だし。
その後、衝撃的なツイート第二弾を発見した。
わさっち、わさビーフやめるってよ
わさっちを助けたい
コードネーム「保護活動」
牛でも豚でもないもの 偶蹄類とは
【8月26日(水)夜】
わさビーフのキンコン西野デザインキャラ「わさぎゅ~」、鼻が豚だとはさんざん言われてたけど、全身像見たら蹄は馬じゃないか pic.twitter.com/dLTm7v5nuv
— ISA (@koge2do) August 26, 2020
「(省略)...全身像見たら蹄は馬じゃないか」
蹄(ひづめ)、ああ牛とか馬の爪の角質が超固くなってるやつね。犬のおやつにいいのよね。
現行のわさっちの蹄を見てみると、たしかに前足・後ろ足ともに二つになってる。
いわゆる、偶蹄類と呼ばれるグループだ。
牛とか豚とか蹄が2つとか4つとか偶数個あるからそう呼ばれてる。
新キャラクターの全身像は新パッケージ袋の右下にある。
見てみると、確かに蹄は一つだ。
これは馬と同じで奇蹄類と呼ばれる。蹄の数が奇数個だから。
ふざけんなよと。
誰だよこのわさっちに変わる新キャラクターをデザインしたデザイナーは。
顔がホルスタインの白とぶち模様から緑色になったのは気持ち悪いけど、わさび色をイメージしたかったというのは受け入れることはできる。
顔が丸いというのも、これじゃあ牛じゃなくて豚じゃん。「ぶたっち」「わさポーク」じゃんとか一部で言われているけど、それも個人の主観ということにしていい。
でも、蹄が一つなのに牛だと名乗るのはムリがある。
それだけこのデザイナーが真剣にデザインしていない証拠でもある。
おそらく、このデザイナーは「たかが蹄のラインやくぼみがないだけのことじゃないか」そう思ったのかもしれない。
子供が新しい牛のキャラクターの見て、牛の足(蹄)は1個なんだ。お馬さんと同じだね。って学習しても気にならないのだろう。
たかが、牛のキャラクターじゃないか。そう思ったから、わさっちの交代を提案することにもためらいがなかったかもしれない。
新しいキャラクターにしたら、各種タイアップなどのイラスト使用料でデザイナーにお金が入ってくることができるなと。
たかが、眠そうな牛じゃないか。33年間か何年間か知らないけど、売上に貢献できないようならリストラ対象だ。
保護活動なんてもっての外だ。追放しろ、屋上にある置物ごとドナドナしろと。
そこまで、このホルスタインという牛は古くてダサいのだろうか。
みんなから愛されていないのだろうか。
怒りや悲しさを通り越して虚無だけが自分の心の中にあった。
とは言え、自分も実物のホルスタインの牛をまじまじと見たことがあっただろうか。
実物を見てもいないのに、さも牛キャラクター評論家のごとく批判してもいいのだろうか。
何かが自分の説得力として欠けていないだろうか。
その答えを出すには、実際に牧場に行ってみればいいんだ。
わさっち、わさビーフやめるってよ
わさっちを助けたい
コードネーム「保護活動」
牛でも豚でもないもの 偶蹄類とは
牛舎に行ってみよう
【8月29日(土)昼】
とは言え、自分は東京に住んでいる。
いまの東京という砂漠地帯には、ホストとメイドと港区女子、廃棄前提おじさん、スーパーのポテサラ爺さんしか存在していない街だ。
まず思いついたのが、千葉県にある二つ。
「成田ゆめ牧場」
「マザー牧場」
しかし、いかんせん遠い。
それに都民は東京都から出て旅行してはいけないという、コンプライアンスルールが絶賛売り出し中となってる。
何気なく、スマホで[東京 牧場]で検索した。
そしたら、練馬区と日野市に牧場があるらしい。牛を飼っているという。
どっちも、交通アクセス的には同じだから、ここはかえって遠い日野市のほうに行ってみるか。なんか近くにジェラート屋もあるみたいだし。
なんか朝早く行っても忙しそうだとあれだし。休みの朝はダラダラとしてたいし、とかなんとかで、10時過ぎに出掛けた。
牧場に着いたのはちょうどお昼頃。真夏の真っ昼間に外出するものではないなと少しだけ後悔した。
牧場の名前は「モグサファーム」最寄り駅は京王線「百草園駅」
牧場というか牛舎だな。
意外とこじんまりした建物。
ただ、中には牛が8頭ぐらいいた。
っていうか、道路からフリーで見れるのか。周りには家があるけど人っ子一人いないし。東京と言えども区じゃなくて市だからこれでいいのか。
実物の牛はデカかった。大人しかった。もちろん、蹄が二つあるのも確認できた。
牛乳が飲みたくなった。カフェオレでもいい。
今日、明日ぐらいは牛丼やハンバーガーを食べるのはやめておこうと、にわか菜食主義者になった。
たかだか15分程度ぐらいだったと思うけど、実際の牛を見れたことは良かった。
それでも、そうこうしているうちにわさっちの命は残り2日間と迫っていた。
わさっち、わさビーフやめるってよ
わさっちを助けたい
コードネーム「保護活動」
牛でも豚でもないもの 偶蹄類とは
牛舎に行ってみよう
わさっちフォーエバー
【8月31日(月)夜】
すでにTwitterでは、新しいパッケージの商品が店頭陳列されていて、それを購入した人が写真をアップしたりしてた。
でも、それ以上に、わさっちの写真をアップしている人のほうが多かった。
とはいえ、それも物珍しさから逆転されていくのだろうと。
なぜなら、わさっちのわさビーフは古いパッケージであり、二度とお菓子袋にパッケージされることはないからである。
子供の頃、わさビーフを食べた。
しかし、周りで親を含めて食べている人はいなかった。
そう、物心がついて自分で初めて買ったお菓子、買い続けたお菓子はわさビーフである。
もちろん、他のお菓子も買ったりしたが、他のお菓子は他の人も買ったりしてる。
わさビーフだけは自分で買わないと食べることができない。
しかしその後は、わさビーフを買って食べたりすることが減ってきた。
わさビーフだけを食べなくなったわけではない。
ポテトチップス、スナック菓子そのものを大人になってから、買って食べるということが減ってきた。
甘いものは食べたくなるが、それはチョコレート菓子がある。
それでも、たまにはポテトチップス食べようかなと思って買ったりした。
でも、ポテトチップスを食べながらだとボタン式のケータイの頃まではよかったが、タッチ式のスマホになってからはアウトになった。画面が油で汚れるから。
他にも、これはポテトチップスだけじゃなく、フライドポテトやビスケット、クッキーといった焼き菓子、コーヒー豆などにも含まれている「アクリルアミド」という発がん物質の問題があったりする。
ただ、決して二度とポテトチップスを食べないという決別をしたわけではない。
コンビニやスーパーのお菓子コーナーの棚で見かける。
あの、手にわさびを持ってる牛のキャラクターが目に入ってくる。
そう、わさビーフと一緒にわさっちが見える。
でもこれは子供の頃にさんざん食べたしな。
手に取っても、また商品棚へと戻す。
そういった繰り返し月日が流れた結果が、今回のわさっち引退への遠因へとなっていたんだろうと。
ずーっと考えていた。
別に単なるスナック菓子の一キャラクターじゃないか。
お菓子そのものがなくなるわけじゃないし、そんなに悲観することじゃないじゃないか。
第一、いまはほとんどスナック菓子を食べてないんだろう?じゃあ、ことさら、事を大きくする必要はないじゃないか。
違う。
わさビーフのわさっちは、自分の人生の生き方やキャリアに1gも影響を及ぼしていない。
それは確かだ。だって、1袋100円程度のお菓子なんだから。スーパーやドラックストア、ディスカントショップならもっと安い。
じゃあ、毎日、公園を散歩している地元のおばさんがある日を境に見かけなくなった。そんな喪失感なのか。
それも違う。
理由は、自分がわさっちが好きだからに他ならない。
一企業の一スナック菓子のキャラクターだから好きになるのがおかしい。好きと公言する理由もない。そう思い込んでいただけだった。
本当は、いつも眠そうな目でちょっとすっとぼけたような感じを出してわさびを持ってるあいつが子供の頃から好きだったのだと。
そして昨日、33年間いた牛はいなくなった。
本日でわさっちは引退となり、新わさビーフが明日から発売となります。発表から今日まで、わさっちへのたくさんの思いやお言葉を頂きありがとうございました。
— わさビーフの山芳製菓 (@yamayoshiseika) August 31, 2020
引き続き、ホームページの歴代わさビーフコーナーや過去のCMコーナーで、わさっちの姿をご覧頂く事ができます。 pic.twitter.com/8m3KXudFWV
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。
ニーバーの祈り(Serenity Prayer)
【世の中の出来事】
8月25日(水)
・大阪万博のロゴ「いのちの輝き」が話題に
8月28日(金)
・漫才師の内海桂子さんが死去
・安倍総理が首相辞任を発表
8月29日(土)
・映画『ブラックパンサー』主演のチャドウィック・ボーズマンが大腸がんで死去
8月31日(月)
・日本最古の回転木馬(英:メリーゴーランド / 仏:カルーセルエルドラド)を所有する「としまえん」が閉園
0 件のコメント:
コメントを投稿